NHKアナウンサー「東日本大震災を思い出してください」に隠された事実

2016年11月22日朝5:59

福島県沖で起きたマグニチュード7.4の地震では、震源地に近い福島県で震度5弱、さらに太平洋沿岸には「津波警報」が発令。

実際に仙台港では1.4mの津波を観測するなど、東日本大震災後かなり大きい地震・津波となりました。

この時間、各テレビ局は朝の情報番組をすべて地震速報に変更し、「津波警報・注意報」が発令した地域への「避難誘導」の放送をしました。

テレビ局ごとのカラーはあったものの、NHKアナウンサーが強い口調で「避難誘導」を放送したのが話題にもなりました。

現に私もNHKアナウンサーが強く訴える「東日本大震災を思い出してください」の一言には胸が痛み、家族や家を無くした人たちにとって「ひどい言葉」なのではないかとずっと気になっていました。

そこで、どうしてNHKではこの言葉を使ったのか調べてみたところ、こんな事実を発見しました。

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「東日本大震災を思い出してください」に隠された事実


2015年3月、NHKアナウンスルームのページに投稿された「高瀬 耕造アナウンサーの仕事の流儀」からの引用です。

高瀬アナは2012年12月に東日本大震災後、初めて発令された津波警報のニュースを担当したようです。

――高瀬さんにお聞きしたかったことの一つに、2012年12月に発生した地震での”呼びかけ”があります。

高瀬「東日本大震災後、初めて出された津波警報でした。「東日本大震災を思い出してください」「命を守るために一刻も早く逃げてください!」という呼びかけは、東日本大震災の重い教訓から、アナウンサーだけではなく報道局含めて、考えて考えて導き出したものでした。とっさに思いついた言葉ではありません。とはいえ、実際に言葉にするにはとても勇気が必要でした。呼びかけた段階では、どんな津波が来るか、被害が出るか分かりません。すでに被災した方々に向けて、「東日本大震災を思い出してください」と、東京のスタジオから伝える……手も震えていました。瞬間的にいろいろな思いが巡りました。でも、どうか逃げてほしい、一人でも多くの命を救いたいと心の底から思って呼びかけました。今後も、災害が起きたときに何を伝え、どんな言葉で呼びかけるのか、それは常に考え続けなければいけないと思います。」

――多くの人が印象に残っている言葉だと思います。きちんと考えさせてくれるような言葉でした。

高瀬「いろんな反響を頂きまして……。自分でもけっこう引きずりました。その後、被災地を訪れる機会があって、地元の方に相談したんです。そうしたら「とにかく逃げなければ駄目」「当たり前のことだと思うよ」って皆さんから言っていただいたことは、救われる思いでした。

NHKアナウンスルーム「アナウンサー仕事の流儀」

今回調べて初めて知ったのですが、NHKの緊急速報は暗号化されずに放送されるためテレビの後ろにささっている「B-CAS」カードを外しても放送が見られるそうです。

NHKは国営放送ということもありますが、そこまでの覚悟があるということが分かりました。

ツィッターなどで、「東日本大震災を思い出してください」の言葉には「トラウマ」とか「言い過ぎ」などの意見も見受けられましたが(現に私も書き込むギリギリまでいきました)、東日本大震災の経験を活かして、もう二度と後悔しないようきちんと実行しているということがわかりました。

もちろんNHK以外のテレビ局も「津波!にげて」や「すぐにげて!」など「テレビを見ている場合じゃないぞ!」というメッセージは伝わりました。

ただ実際のところ、この一言に恐怖を感じた方は多いようで…

でも、自分がいる場所が安全だということが確認できれば、あとはテレビを消せばいいんです。もしくは、消音にすれば聞こえなくなりますよ。

以上、ほんとにやっこのひとりごとでした。

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