「こすい」って言葉、普段の生活でよく使いますか?
先日の記事では、ドラマで使われていた「小賢しい」の意味や使い方を調べましたが…
こちらの記事⇒小賢しい(こざかしい)ってどういう意味?どんな時に使う?
今度は「こすい」が使われていましたね^^;
私は今まで「こすい」という言葉をつかったことがなく、でも聞いたことはあったのでてっきり「方言」?と思っていました。
でも、「こすい」は方言という訳ではなく日本全国で使われている言葉のようです。
そこで、「こすい」の意味と、使われている地域について調べてみました。
さらに「小賢しい」との意味の違いや、他に同じような意味でつかわれる言葉についても紹介しています。
「こすい」の意味
辞書で調べると
こす・い【×狡い】
1 人を欺いて自分に有利に立ち回るさま。悪賢い。狡猾(こうかつ)である。ずるい。「―・いやり方」
2 けちだ。
[派生]こすさ[名]
ちなみに
ずる・い【×狡い】
[形][文]ずる・し[ク]自分の利益を得たりするために、要領よく振る舞うさま。また、そういう性質であるさま。悪賢い。こすい。「―・いやり方」「―・く立ち回る」
[派生]ずるさ[名]
「こすい=狡い=ずるい」なんですね!
しかも漢字は同じ字だと知ってびっくり!!
もしかしたら今まで「狡い(こすい)」と書かれていた文章を「狡い(ずるい)」と読んでいたかもしれません。
「こすい」は方言?
「こすい」は方言ではなく、日本中広い範囲で使われているようです。
ただし、一般的には「ずるい」の方が標準語で、「こすい」を使う地域は以下の通りです。
<こすい>
石川・福井・奈良・鳥取・島根・愛媛・高知
<こっすい>
新潟・愛知
<すこい>
滋賀・京都・兵庫
<こすか>
福岡・佐賀・熊本
<こし>
宮崎
比較的西日本で多く使われているようですね。
「こすい」のと同じ意味でつかわれる言葉
「こすい」と似たような言葉と意味をあげてみます。
狡猾(こうかつ)
ずるく悪賢いこと。そのさま
老獪(ろうかい)
いろいろ経験を積んでいて、悪賢いこと
ちゃくい
こすい、ずるい
など。どれも「悪賢い」「ずるい」という意味です。
先日紹介した「小賢しい」も「悪賢い」という意味でつかわれますが、使い方の違いがあることに気が付きました。
・年下に対して使う言葉
・悪賢いうえに抜け目がない=損得でものごとを考えるという意味
つまり「こすい」の悪賢いより、さらにもう一段「抜け目ない」という意味がついているのですね。「こすい < 小賢しい」?^^;
余談ですが、「姑息(こそく)」を「こすい(ずるい)」という意味で使っている人がいるようですが、実は違います。
姑息(こそく)
( 名 ・形動 ) [文] ナリ
〔「礼記檀弓上」より。「姑」はしばらく,「息」はやむ意〕
根本的に解決するのではなく,一時の間に合わせにする・こと(さま)。 「 -な手段」 「因循-」 「無事を喜び-に安んずるの心/経国美談 竜渓」
〔現代では誤って「卑怯(ひきよう)である」という意味に使われることが多い〕
間違って使わないようにしないとですね。
いかがでしたか?
こすいも小賢しいもあまりいい意味に捉えられませんが、(悪)賢いということで、現代を生き抜く力を持っている人を指す言葉かもしれません。
使う人の気持ちによっても、意味が変わることもあります。
日本語って奥深いですね^^