雛人形、上の段からお雛様とお内裏様。
その下にそれぞれ違うお道具をもった三人官女、さらにその下の段には笛や鼓を奏でる五人囃子と続きます。
7段飾りの雛人形の場合、さらにその下に二人の男性と、三人の男性の人形が並んでいますよね。
これらの名前は何て言うの?
そういえばひな祭りの歌に出てこなかったっけ?
そこで、さっそく、子供たちをひな祭りの歌を歌ってみることに^^
ひな祭りの歌…正式には「うれしいひなまつり」です。
うれしいひなまつり
あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
今日はたのしい ひなまつりお内裏様(だいりさま)と おひな様
二人ならんで すまし顔
お嫁にいらした 姉様に
よく似た官女の 白い顔金のびょうぶに うつる灯(ひ)を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒 めされたか
あかいお顔の 右大臣着物をきかえて 帯しめて
今日はわたしも はれ姿
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひなまつり
二人組のうち、右側の男性は「右大臣」と呼ぶことがわかりました。
でも、もう一人の男性と三人組の男性の名前は出てこなかった~~
というわけでなんて呼ぶのか、調べてみることにしました。
ひな人形、二人組の男性はなんて呼ぶ?
男性二人組は「随身(ずいじん)」といいます。
右側が「右大臣」、左側が「左大臣」といい、護衛役として付き添う役目の人たちです。
正式名は、緋の闕腋袍(武官束帯)=右近衛少将(うこんのしょうしょう、黒の闕腋袍(武官束帯)=左近衛中将(さこんのちゅうじょう)と呼びます。
こちらは左近衛中将(さこんのちゅうじょう)さんですね。
二人の持ち物は左手に弓、右手には下に向けた矢を持ち、背負い矢を背負っています。
下の段の男性三人組はなんて呼ぶ?
下の段の三人組は「仕丁(しちょう)」と呼びます。
泣いたり、笑ったり、怒ったりとユニークな表情の人形です。
この仕丁は宮廷の雑務に仕えている庶民出身の人たちで外出時に荷物を持ったり運んだりする従者です。
地域によって三人の持ち物は異なるのですが、関西では「ほうき」「ちりとり」「熊手」を持ち、関東では「立傘」「沓台」「台笠」を持っています。
「ほうき」「ちりとり」「熊手」は京都御所を掃除するための道具で、「立傘」「沓台」「台笠」は外出時に使う道具です。
沓台…貴人の靴を置くための台
台笠…大名などの行列の時、袋に入れて棒をつけて持たせた被笠(かぶりがさ)
三人は年齢も異なり、怒っている人は「短気な若者」、泣いている人は「悲観的な中年」、笑っている人は「すべて乗り越えた円満な老人」と人生を表していると言われています。
いかがでしたか?
最近はコンパクトに飾れるので三段飾りの雛人形が人気があるようですが、三段飾りには随身や仕丁たちはついてこないため、名前はもちろん存在も知らないまま大人になってしまう子供もいるようです。
機会があれば日本の文化として教えてあげてくださいね。