年に2回、7月と1月に選考される芥川賞。
最近はお笑芸人の又吉さんが受賞されたこともあり、毎年話題になっています。
芥川賞に選ばれる条件は以下のとおりです。
① 無名・新進作家
② 短編・中編作品(原稿用紙100~200枚)
③ 純文学
④ 新聞、雑誌、文芸誌、同人誌に発表されている作品
ところで、「純文学」って?
一口に「純文学」と言っても、大学の卒論にもなってしまうような壮大なテーマ。
よって選考基準としては、ややあいまいな気が…^^;
そこで、芥川賞がどうやって選ばれるのか、選考方法や詳しい選考基準について調べてみました。
芥川龍之介賞 選考基準
① 「無名・新進作家」
これは「無名」かつ「新進」の作家ということです。
芥川賞が成立された初期の頃は、作品がどんなに優れていても、作者が「無名か?」「新進か?」でも候補作品を議論していたようです。
ただし、「新進作家であってもすでに有名」といった理由や、「キャリアはあるけど世間に出ていない(無名)」といった作家も選考されたようですので考委員の判断でも異なるといえます。
また「該当作品無し」の年もありました。
② 短編・中編作品(原稿用紙100~200枚)
主に短編作品は原稿用紙150枚程度と言われているようです。
過去には原稿用紙280枚程度の作品も受賞していることから、短編・中編作品であることが基準とされています。
また、単行本として販売する際にちょうどいい長さが原稿用紙200枚程度とも言われています。
③ 純文学かどうか
芥川賞選考条件の中で最もあいまいな条件です。
芥川賞と同時に発表される直木賞では「大衆作品であること」が選考基準になっていますが、その境界があいまいであるため、芥川賞、直木賞のどちらの候補にあがる作品もあります。
また、第6回直木賞に選ばれた「飯伏鱒二」は純文学作家でしたが、当時の選考委員の判断で直木賞受賞となったり、111回直木賞は大衆文学作家とされていた花村萬月と、ハードボイルド作品の藤沢周が芥川賞を受賞するなどかなりあいまいな選考基準です。
純文学、大衆文学を意識して作品を書く作者は少ないでしょうから、読み手の印象で判断するためあいまいになるのかもしれません。
④ 新聞、雑誌、文芸誌、同人誌に既に発表されている作品
芥川賞はコンクールではないため、既に発表されている作品が先行されます。
処女作の場合もありますが、すでに何編か作品を書いている(新進)作家が選ばれることとなります。
芥川龍之介賞 選考方法
年2回7月と1月に選考される芥川賞は7月(上半期)には前年の12月~5月までの作品。1月(下半期)には6月~11月に発表された作品を対象に選考します。
その後、日本文学振興会より文芸春秋に候補作の選考を委託し、文芸春秋社員20名で構成される選考スタッフによって候補作を選定します。
候補作、受賞作の選定方法は…
① 選定スタッフは5人ずつのグループ(4グループ)に分かれる
② 10日に1回各グループに3~4作品が割り当てられ、グループごとに推薦作品を選ぶ。
③ 各グループの推薦作品を持ち寄られる本会議でさらに作品を絞り込む
④ これを6~7回ずつ、計12回~14回繰り返される
⑤ 最終的に候補作5~6作品を決定する
⑥ 最終候補が決定すると候補者に連絡され受賞の意志があるか確認されマスコミに「芥川賞候補作品」として発表される
⑦ その後選考委員がそれぞれの作品を○△×によって評価し、その評価を発表した上で審議され決定する
ちなみに選考会の司会は「文芸春秋」の編集長。
選考会場は築地の老舗料亭「新喜楽1階座敷」と決まっています。(直木賞も選考会場は同じ)
芥川賞選考委員って誰?
芥川賞選考委員はここ数年9名で構成されていましたが、156回に1名追加され10名となりました。
146回に2名の選考委員が退任され、翌147回には2名追加されていることから、辞退された委員を補うべきふさわしい選考委員がいれば(本人が受ければ)補充されているようです。
こちらのサイトで歴代選考委員の一覧が確認できます。
というわけで芥川賞の選考基準や選考方法について調べてみました。
できればその年に候補にあがった作品を全部を読んでみたいところですが…
どちらかというと直木賞の方が読みやすいような^^;
そこが純文学と大衆文学の差なのかもしれません。